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建設業許可を最短で取得!申請の要件・費用・注意点をまとめて解説

  • 2025.06.19
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建設業許可を最短で取得!申請の要件・費用・注意点をまとめて解説

建設業を営む上で避けて通れないのが建設業許可の取得です。特に埼玉県の建設業界でより大きな工事を請け負いたい、公共工事に参入したいとお考えの事業者様にとって、建設業許可は事業拡大の重要な鍵となります。

行政書士法人リージョナルでは、これまで多くの建設業許可申請をサポートしてきた経験から、許可取得の要件から手続きの流れ、さらには最短で取得するためのポイントまで、実践的なノウハウをお伝えします。この記事では、建設業許可の基本から申請時の注意点まで、わかりやすく解説していきます。

目次

1.   建設業許可とは

2.   建設業許可の区分

3.   建設業許可取得のための6つの要件

4.   申請手続きの流れと期間

5.   建設業許可取得後の義務と注意点

6.   建設業許可申請にかかる費用

7.   最短取得のための注意点まとめ

8.   まとめ

建設業許可とは

建設業法第3条に基づき、建設工事の完成を請け負う営業を行うには原則として建設業許可が必要です。これは公共工事、民間工事を問わず適用されます。

ただし、すべての建設工事に許可が必要というわけではありません。「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、建設業許可は必須ではありません。

 

軽微な建設工事の定義

工事の種類 許可不要の条件
建築一式工事 ・1件の請負代金が1,500万円未満
・延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外 1件の請負代金が500万円未満

 

※金額には消費税および地方消費税の額を含みます

建設業許可を取得することで、請負金額の上限が撤廃され、より大規模な工事を受注できるようになります。また、社会的信用の向上により、取引先や金融機関からの評価も高まる傾向があります。

✓ポイント:建設業許可は事業拡大の重要な基盤となるため、将来的な成長を見据えて早めの取得を検討することが重要です。

 

 

建設業許可の区分

建設業許可には主に2つの区分方法があります。

 

一般建設業許可と特定建設業許可

この区分は、発注者から直接請け負った工事(元請工事)について、下請契約の規模によって決まります

特定建設業許可が必要なケース:
- 発注者から直接請け負った1件の工事について
- 下請に出す代金の総額が建築一式工事は8,000万円以上(令和7年2月1日以降)
- それ以外の工事は5,000万円以上(令和7年2月1日以降)

重要なポイントは、発注者から直接工事を請け負わない場合(下請業者として請け負う場合)は、下請への発注額にかかわらず特定建設業許可は不要ということです。

一般建設業許可があれば、500万円以上(材料費・税込)の工事でも上限金額に関係なく請け負うことができます。

 

大臣許可と知事許可

許可の種類 対象 申請先
知事許可 営業所を1つの都道府県内のみに設置 都道府県知事
大臣許可 営業所を2つ以上の都道府県に設置 国土交通大臣

 

大臣許可か知事許可かは営業所の所在地で区分され、営業できる区域や工事施工エリアに制限はありません。

なお、「営業所」とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所のことを指します。

✓ポイント:建設業許可は29の業種ごとに取得する必要があるため、自社が営む工事内容に応じて適切な業種を選択することが重要です。

 

 

建設業許可取得のための6つの要件

建設業許可を最短で取得!申請の要件・費用・注意点をまとめて解説

建設業許可を取得するためには、建設業法に定められた以下6つの要件をすべて満たす必要があります。

 

1. 経営業務の管理責任者がいること

建設業の経営には特殊性があるため、一定の経験を持つ責任者が必要です。

  • •      法人:常勤役員
  • •      個人:本人または支配人

 

主たる営業所に常勤していることが必要で、求められる経験要件は以下の通りです:

  • •      建設業に関し5年以上の経営業務管理責任者経験
  • •      6年以上の補佐経験
  • •      その他、建設業に関する十分な経営経験

 

常勤性については、住民票や健康保険証などで証明する必要があります。

 

2. 専任技術者が営業所ごとにいること

各営業所に、許可を受けようとする業種に関して専門的な知識・経験を持つ技術者を専任で配置する必要があります。

 

一般建設業の専任技術者の要件

以下のいずれかに該当する必要があります:

  1. 1. 国家資格者(建築士、施工管理技士、技術士など)
  2. 2. 指定学科卒業+実務経験(大学卒業後3年以上、高校卒業後5年以上)
  3. 3. 10年以上の実務経験

 

特定建設業の専任技術者の要件

より厳格な要件が設けられています:

  1. 1. 1級の国家資格者または技術士
  2. 2. 一般建設業の要件+指導監督的実務経験2年以上
  3. 3. 国土交通大臣認定者

 

「指導監督的実務経験」とは、設計・施工全般にわたり、工事現場主任・監督者の立場で技術面を総合指導監督した経験のことです。

なお、土木、建築、電気など7業種の指定建設業では、原則として1級国家資格者等が必要となります。

 

3. 請負契約に関して誠実性があること

請負契約に関して不正または不誠実な行為をする恐れがないことが求められます。

  • •      不正な行為:詐欺、強迫、横領など法律違反行為
  • •      不誠実な行為:工事内容、工期などの契約違反行為

 

過去に不正・不誠実な行為で他の法令に基づく免許等を取り消されてから5年経過していない場合も該当します。

 

4. 請負契約を履行するに足りる財産的基礎を有すること

工事の着手資金や営業活動資金、大規模工事を請け負うための財務力が必要です。特に特定建設業では下請保護のため要件が厳しくなっています。

一般建設業の要件(次のいずれかに該当)
  • •      自己資本500万円以上
  • •      500万円以上の資金調達能力
  • •      直前5年間の継続営業実績

 

特定建設業の要件(次のすべてに該当)
  • •      欠損の額が資本金の20%を超えない
  • •      流動比率75%以上
  • •      資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上

 

5. 欠格要件に該当しないこと

建設業法第8条等に定められた要件で、これに該当すると他の要件を満たしても許可が下りません。

主な欠格要件:
- 虚偽申請
- 成年被後見人等
- 破産者で復権を得ない者
- 許可取消しから一定期間内
- 営業停止期間中
- 禁錮以上の刑や一定の法令違反による罰金刑から一定期間内
- 暴力団関係者等

 

6. 適切な社会保険に加入していること

健康保険、厚生年金保険、雇用保険への加入が建設業許可の申請要件となっています。

✓ポイント:欠格要件に該当する可能性がある場合は、隠さずに正直に主管部局(行政庁)や専門家に相談することが重要です。適切な対応により解決できるケースもあります。

 

 

申請手続きの流れと期間

建設業許可を最短で取得!申請の要件・費用・注意点をまとめて解説

申請書類の準備

建設業許可申請には多くの証明書類が必要となり、準備が煩雑になりがちです。経営業務管理責任者や専任技術者の経験を証明する書類、財産的基礎を示す書類など、各要件に対応した証明書類を漏れなく準備する必要があります。

 

申請窓口

許可の種類 申請先
大臣許可 本店の所在地を所管する地方整備局等
知事許可 営業所の所在地を管轄する都道府県知事

 

標準処理期間

申請から許可決定までの標準的な審査期間は以下の通りです:

  • •      大臣許可:約120日
  • •      知事許可:約30日

 

ただし、標準処理期間には、書類の不備等による補正に必要な期間は含まれません

 

最短取得のためのポイント

最短取得を目指すには、要件を事前にしっかりと確認し、正確で漏れのない書類を準備することが何より重要です。書類の不備による補正期間が発生すると、大幅に期間が延びる可能性があります。

✓ポイント:申請書類の準備段階で専門家のチェックを受けることで、補正による遅延を防ぎ、最短での許可取得が可能になります。

 

 

建設業許可取得後の義務と注意点

更新申請の必要性

建設業許可の有効期間は5年間であり、継続して営業するには期間満了の30日前までに更新申請が必要です。

 

許可要件の継続

許可取得後も、経営業務の管理責任者や専任技術者の常勤性など、許可要件を満たし続ける義務があります。要件を満たせなくなった場合、許可取消しの対象となる可能性があります。

 

特定建設業者の追加義務

特定建設業者には、一般建設業者の義務に加えて以下の義務が課されます:

  • •      施工体制台帳の作成と備え付け
  • •      すべての下請負業者への法令遵守指導
  • •      下請代金の支払期日に関する特例(引渡し申し出から50日以内など)
  • •      監理技術者の工事現場への設置義務

 

✓ポイント:許可取得後の義務を怠ると、営業停止や許可取消しなどの行政処分を受ける可能性があるため、継続的な管理体制の構築が重要です。

 

 

建設業許可申請にかかる費用

法定手数料

建設業許可申請には以下の法定手数料がかかります:

許可の種類 新規申請手数料
知事許可 90,000円
大臣許可 150,000円

 

専門家報酬

行政書士等の専門家に代行を依頼する場合、別途専門家報酬が発生します。報酬額は事務所によって異なりますが、一般的には以下の範囲となります:

  • •      知事許可:15万円~30万円程度
  • •      大臣許可:20万円~40万円程度

 

その他の費用

申請に必要な各種証明書の取得費用(住民票、登記事項証明書、納税証明書など)も別途必要となります。

✓ポイント:専門家に依頼することで、申請の確実性が向上し、結果的に時間と費用の節約につながることが多いです。

 

 

最短取得のための注意点まとめ

建設業許可を最短で取得するためには、事前の準備と正確な申請が鍵となります。

 

要件の確認を怠らないこと

自社が一般・特定どちらの許可が必要か、またそれぞれの要件を満たしているかを正確に確認することが第一歩です。特に経営業務管理責任者と専任技術者、財産的基礎の要件は詳細な検証が必要です。

 

必要書類を正確に準備すること

多くの証明書類が必要となるため、漏れなく、記載内容に虚偽や重要な事実の記載漏れがないように細心の注意を払う必要があります。

 

欠格要件や不誠実な行為に注意すること

これらに該当すると許可は絶対に下りません。過去に違反等がある場合は、隠さずに正直に行政庁や専門家に相談することが重要です。

 

不明点や複雑な手続きは専門家に相談すること

行政書士などの専門家は、要件判断や書類作成、行政庁とのやり取りに精通しており、スムーズかつ確実に手続きを進めるためのサポートが期待できます。

 

 

まとめ

建設業許可の取得は、建設業界での事業拡大において重要な節目となります。特に特定建設業許可を取得することで、より大規模な工事受注や公共工事への参入が可能になり、事業拡大と社会的信用向上に大きく寄与します。

埼玉県で建設業許可の取得をお考えの事業者様は、行政書士法人リージョナルにご相談ください。豊富な経験と専門知識により、お客様の事業特性に応じた最適な許可取得サポートを提供いたします。ご相談・申請の流れはこちら

建設業許可取得は準備が大変ですが、専門家を有効活用することで、本業に集中しつつスムーズに手続きを進めることができます。まずはお気軽にご相談いただき、許可取得への第一歩を踏み出してください。